いらないお花と、リクエストした紅茶をいただき、デスクを空にして、資料を引き継ぎ、メールで挨拶。
有給消化のため、8月26日が正式な退職日です。
わたしのやっていた業務は誰がやるのか謎だけど、多分一人の後輩にのしかかるんだろうな。
それに関してはずっと心配してるけど、辞めるって決めてから何も言わないことにした。
辞める奴が言うことなんて何もないし、言ったところでどうにもならない。
最後の日、大荷物を抱えて企画の上司(56歳?くらい?部長)と総務(41歳)のおっさん二人とポルトガル料理を食べに行った。
お酒を飲まないわたしを尻目に二人ともよく飲む。
総務のE田さんは飲んでばかりで食べない。
残したら捨ててしまうのもったいないと思うから、わたしがほぼ全部食べた。
苦しいけど食べれる。
「あんましお腹空いてないし、お酒を飲みたい気分です。って言ってた。へー、体壊すよそんな飲み方。
上司は「あんまし美味しくない。」って言いながらパクパク食べてる。
この上司とご飯を食べたことは何回かあるけど、だいたい「あんまし美味しくない」って言ってる気がするんだよね。
上司はわたしが入社してからずーっとわたしの右隣の席にいる。
「ジョウトウさんは、左利きだからちょうどいいんだよね。」って言われて、なんか心に残ったセリフだった。
いつも右側の上司、左側の私であった。
送り状の出し方、エクセルの使い方、パソコンのログインの仕方...初心者向けの内容を何度教えただろう。
一個も覚えていない。
「ジョウトウさんがやめたら、上司さん寂しがりますよ。ずっとクッションだったし、話し相手だったから。」って企画のお姉さんに言われて、あなたの番です。って思いました。
何の手当もつかないクッションはもうやめます。
さようなら。
そう思いながら白身魚のフライを食べました。
当たられたり、愚痴を聞かされたり、何回も同じこと聞かれてよく怒らないね、イラつかないねって言われて過ごしてたけど、そんなことで怒っても仕方ないし、期待しないと怒ることもないですよって言ったら笑ってた。
上司は多分ずっと変わらない。
総務のおっさんはたまに話すくらいなんだけど、話が面白いような気がする。
上司と仲良しでたまに飲みに行ってるらしい。
話が面白いような気がする...っていうのは、声がかすれ気味で、くぐもってて、滑舌も悪いしどもるからほとんど何言ってるかわからないんだよね。
そこがすごく気に入ってる。
面白いことを言ってる気がする。
でも、何言ったのかわかんねーやってのが楽しい。
だいたい聞いてないからちょうどいい。
総務はたくさん話してた。
「夜景を見に行ったら、君の方が綺麗だよ。」って言いたい。
マンションを購入して、お皿もお箸も2セット用意している。
昆虫が好きなんだけど、昆虫(虫)を気持ち悪いっていうのは人間から見た美醜の観点で、虫目線で言うと人間だって気持ち悪いと思ってるかもしれない。自分の観点で美醜を決めるのは無意味。みたいなことを永遠と語っていた。
虫の目線っていうのが新鮮だった。
虫の心がわかるのか!って思う。
あとは心霊現象の話とかして盛り上がった。
盛り上がる二人を見ながら、「早く帰って、岸田さんとみんこちゃんと話したいな。シャワー浴びて、村田沙耶香の本読みたいな。」って考えてた。
早く帰りたい。
そろそろおひらき、というとこで総務は「もう一件行きましょう。」ってどもりながら言ってきた。
さっき、机ひっくり返しそうになってたし結構飲んでるしもう帰ろうよ。って言ったけどなかなか引かない。
わたしは2人前食ったんだ。もう何も入りません。っていいながら断る。
お店を出て、上司と握手して別れ、総務と駅まで歩いた。
荷物が多かったので持ってくれた。
いらないお花をもらったけど、そんなふうに持ったらしおれそう...「自分で持ちます。」って言ったけど「いいえ、大丈夫です。僕が待ちます重いでしょ。」って言って持ってくれた。
頑なだなあ。
頑なだなあって、3人で会話してて10回くらい思った。
譲らない。すごく狭い視点でものを見てて、偏ってるなーって思うことをゆずらず、自分はこうしたいっていう持論を長々話している。
虫は、しゃべらない。
お花は実家の仏壇にそなえよう。
仏壇のお花はいつも絶やしてない実家のことを思う。
この前お母さんにまた冷たく接してしまったなぁ。
なかなか駅につかない。
「ちょっと、道が間違ってしまいすみませんね。」って言われ、何で謝るんだろうって思いながら歩く。
「ジョウトウさんは、幸せですか?」って聞いてくる。
急だな。
「え〜幸せかー、そうですね、幸せですよ。」って答えると、「幸せかー。って、ちょっと疑問系ですよね。スッと答えませんね。そこに、何か意味があるのかなって思っちゃいます。」
って何もないですから。
わたしの幸せとあなたの幸せは全く別の感覚を持ってるよ。
そしてあなたは自分の思う幸せこそが幸せだと思ってませんか。
わたしは家で一言も話さずAmazon prime観たり一人で映画行ったり本読んだり旦那は黙々と投資の勉強してて話しかけないと答えないけどそれは不幸と違うからね。
「旦那さんとはどんなふうに過ごしてるの?」って問いに正直に答えたら納得いかない、みたいな顔してたけど、わたしはそれが良いんだよ。
なぜ、自分の価値観を押し付ける。
だんだんと居心地が悪くなり、「早く駅につかないかなあ。iTunesで落としたヨルシカのアルバム、聴きたいなぁ!」って思いました。
ヨルシカ知ってる?
最近ハマってるんだよね...。
試しに、E田さんが納得しそうな、喜びそうな答えをするとスッと腑に落ちる反応で、なんて素直だろうって感心した。
自分の価値観にハマる女性が現れるといいですね。そしてあなたはインプットが多いけどアウトプットができる相手がいないから、きっと退屈なんだ。だからたくさん話せる人と仲良くできたらいいですね。って言った。
「また、話したいことがあったら聞いてください。」って言われ、なんかすごく脱力した。
そりゃ、上司に話すだけじゃ物足りないわな。
この会社で気づいたことは、わたしはいいクッションになれるってことだ。
聞き役に意外となることができる。
真面目に聞いて、真面目に意見を言うこともできる。
聞きたくないと聞かない方法もある。
飽きたら別の方向を見てやり過ごす。
別の方向を見てやり過ごしてても、意外と話してる本人は話すことに夢中で気づかない。
気付いてても気にしない。
話したいからね。それが目的だから、相手が何も言わなくてもいいし意見がいらない時もある。
ひとは、話し相手を探してるんだ。
わたしもインプットしたらアウトプットしたくなる。
その時にブログがあるととても良い。
楽しい家族がいて救われてる。
やっぱり、幸せだな!って思いました。
「やっぱり、もう一軒だけ行きませんか?」って言われて、
「メシを2人前食わせたのはあなたですよ。二軒目に誘いたいなら最初からやり直しですね。」って言った。
苦笑してたけど、なんか喜んでない?
「僕は、心も通わせたい。そしていろんなことをして相手を喜ばせたい。掃除もできるし、ご飯も作れる。もちろん、二人で作ってもいい。
一緒に時間を共有したい。」
マジでどうでもいいんだけど!!!!!
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