「天気の子」観てきたよ。
100回くらいなんでやねん、って思った映画。
新海誠監督の作品は、急に動く主人公の感情についていけず、いつも置いてけぼりになる。
「言の葉の庭」のときも途中のシーンから、急になんで怒るんだろ…こわ…って気になってぜんぜん集中できずにいたし、「君の名は」のときは一体いつこの人たち好き同士になったんじゃ。ってよくわからぬまま話が進んで、急にショッキングなことが起こって「ガーーーーン‼‼」って地獄に落とされてしまったーって感じ。
「君の名」はマジで謎だった。伏線回収は面白かったけど、感情移入ができず新海さんに対して気持ち悪いなって思って映画はおわた。
なんでやねんて思ったことは、
・新宿と渋谷を描くのが大好きなんだなって思う。特に新宿。
都市の象徴だからかな。にしても好きだよね。
・リアルに描きすぎてもう逃げ場がない気がする。実写も織り交ぜてるし。
アニメのキャラって記号だと思うんだけど(性格とか見た目、年齢などその人の背景が簡略化されて記号として動いていると私は思っている)、それに対して風景をリアルに描いたり実写を使うのって違和感がすごくある。
・指輪を渡すの気持ち悪い。
先輩の意見だとしてもこれは男性心理を反映しているのではないだろうか。
この辺からドン引きし始める。
・帆高くんの手錠の意味なんだったんだろ。
私はこれがめっちゃ重要なパーツで伏線を張っていると思ったらただの邪魔な手錠で終わった。
こんなところでしょうか。
上映前のソフトバンクのCMでリピーターを増やそうとしているの?もしそうならクソだなって思った。
帰宅中に考えたんだけど、新海さんが言いたいのは「子供から大人へ」と「狂った世界でも大丈夫」っていう2つのテーマな気がする。
「子供から大人へ」
陽菜ちゃんのチョーカー的なアクセサリーはお母さんからの形見で、母の呪縛的な意味合いなのかな。
15歳、16歳の二人が主人公ってことから思春期の時期だよね。
子供から大人になる微妙な時期、親から離れたいっていう思いが高まる年ごろですね。
帆高君は自分の置かれている環境が嫌で地元から出てきて独立していこうとする。
仕事を探し、お金を稼いで身の回りのこともこなしていく。
陽菜ちゃんは「早く大人になりたい」ってことをつぶやいていることから明白です。
二人とも両親が一度も出てこず、子供だけの世界に外部の大人がフォローなり邪魔なりしてくる。
この構成は「君の名」と同じね。
大人や社会を通して子供から大人になり、親や環境の縛りから独立して意思を持つ一人の人間となっていくいくストーリーが軸のひとつなんじゃないでしょうか。
だから最後に陽菜ちゃんのチョーカーは割れたんじゃないかな。
「狂っていても大丈夫」
これがメインテーマだと思う。
映画の舞台自体が狂っていて、そのなかで「正しさ」とか「生き方」の答えを探している主人公たち。
人柱になった陽菜ちゃんは東京(狂った世界)を救うためにというか半ば強制的に空に行ってしまうんだけど、帆高くんの必死の願いで取り戻して、「自分は晴れよりも陽菜を取る」ことにしたんだよね。
なにが彼らにとって「正しい」ことなのかを問うてて、この狂った世界のままでも自分はいい、君がいる世界を取るって言っている。
つまり東京で生きているわたしたちにも同じことが言えると思う。
狂った世界で何を取るか。どう生きるか。
それが、「愛にできることはまだあるかーい」につながるんじゃないのかな。
銃を向けたのは社会的正義に立ち向かうためで、2発ぶっ放された。
「銃」がとても重要な記号なのに手錠はやっぱりわからん。
言葉にするとつまらんね、こういうストーリーはよくあるだろうけど、これに風景の写実さや美しさ、RADWIMPSの音楽をガンガンかけてオリジナルの新海誠らしいアニメーションに仕上げているなって思った。
私はこの手法にもう多くの人が飽きてきているんじゃないかなって思う。どうだろう。
映像美、RADWIMPS、俳優を起用した声優、そればかり前にいっちゃう印象で、お話自体は結構メッセージ性が強いんだけど入ってこないのよね。
どうしても感情移入できないっていうのは、わたしが年を取ったからで高校生や大学生くらいならスッと入り込めるのかもしれない。
帆高くんが必死に走ってぜえぜえ言えば言うほど私の心は冷めてドン引きしていく。
そうだな、私はこの映画を見る世代ではないんだきっと…。
新海さんはいつまでもピュアな心を持っているんだと思う。
いつまでも女子のおっぱいで喜べるなんてピュアの極みだよな。
帆高くんが多分チェリーボーイの設定なんだろうけど、「君の名」でもなんか新海さんの趣味趣向がにじみ出てる感じがしてやっぱり気持ち悪い。男心はそういうものかもしれません。
隣で見ていたカップルの女の子が途中から飽きちゃってて、つまんなそうにしてるなーって思ってたらエンドロールが終わり、彼氏に「めっちゃ面白かったね~!」って言っててホンマかいなって心の突っ込みを入れた。
多分来年新作が出たらまた観に行くと思う。